アガリクス製品の安全性に関する報道について
2006年2月13日、厚生労働省は「アガリクス(カワリハラタケ)を含む製品の安全性に関する食品安全委員会への食品健康影響評価の依頼について」と題した報道資料を発表しました。要点は以下の3点です。
市販されている3社のアガリクスの安全性試験を行った。
そのうちの1つ(キリンウェルフーズ社製品)において、発ガンプロモート作用が認められた。
キリンウェルフーズはアガリクスの発売を自主的に中止・回収するとともに、食品安全委員会に検討を依頼する。
残る2社の製品については、現時点では安全性に問題のある結果は出ていない。
厚生労働省は、ラット(ねずみの一種)を用いて、市販されている3商品を、通常量の5から10倍量投与し、その結果、「発ガンプロモート作用」(他の発ガ
ン性物質の働きを促進する作用)が認められたとしています。(発ガンプロモート作用は一般の食品にも存在します。)
厚生労働省は、今回の発表の中で、このラットの実験結果をそのまま人に当てはめることはできないとしながらも、食品安全委員会で健康への影響評価が行われることになりました。
特定非営利活動法人代替医療研究機構は大山アガリクスを原料とする製品について品質認証を行っております。品質認証団体として、私どもは今回の厚労省の発表に対し、以下のように考えています。
(1)大山アガリクスの安全性について
アガリクスが日本で販売され始めてから15年の年月が経過しています。現在では、毎年数十万人の患者さんが利用されておられますが、発ガンに関連する問題(発ガン率の上昇、再発率の上昇、治療抵抗性の増大など)は報告されていません。
他社のアガリクスについて、因果関係が完全に否定できない数例の肝障害の報告があり、今回の厚労省の研究の発端も、この副作用報告に基づくものですが、発ガンに関連する副作用の報告はありません。
また、大山アガリクスについては、ラットを用いた反復投与毒性試験(亜急性毒性試験)を独自に実施しており、この中では一切の有害事象を認めていません。代替医療研究機構が追跡調査している症例群においても、不自然な発ガンなどの報告はありません。
(2)アガリクスを摂取することのメリットとデメリットについて
一方で、アガリクスについては、動物実験において腫瘍抑制に関する報告が多数存在しています。米国において「発ガン抑制作用」についての研究も現在行われています。
また、大山アガリクスについては、代替医療研究機構のコホート調査により、積極的治療を行わない患者さんを対象に、3.5%のCR率、0.9%のCR率が確認されています。
この有用性と可能性は、アガリクスの摂取に伴うデメリットと比較して、十分に大きなものであると考えます。
上記の2点は、代替医療研究機構の見解でありますが、厚生労働省もアガリクスが危険であると発表しているわけではなく、報道機関に対し、正しく情報伝達を行い風評被害が発生しないよう指示しています。
厚生労働省は、最近、コエンザイムQ10や大豆イソフラボンなど、話題の健康食品を対象に積極的な介入を行っています。これは、予防医学を実践する上において、これらの有用なサプリメントの使用を禁止するのではなく、適切に活用することが重要であるという視点でもあります。
アガリクスの有用性(免疫強化、抗がん作用)について、厚生労働省は認知していないとしながらも、具体的な研究・検証作業が始まっているということは、統合医療という時代の流れに沿った1つの関門ということができるかもしれません。
アガリクスの基礎的・臨床的な有用性は確立されつつありますし、発ガンプロモート作用に反する研究成果(発ガン抑制、腫瘍発育抑制)は動物実験において多数存在します。
今後、アガリクスのみならず、健康食品を製造・販売している各社が、消費者を納得させうる安全性と有用性に関する情報を整備・提供していくことが何よりも重要であると考えます。
特定非営利活動法人 代替医療研究機構
代表理事 佐々木 淳
上記コメントは、2006年2月13日 18:00現在入手できた情報に基づくものです。
今後、情報の追加に応じて、改めて見解を発表いたします。
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